「れおっち」のブログ

違いがあるからこの世界はオモシロイ。

あなたの何気ない日常に非日常をお届けするブログという名のキッカケ。

じーちゃん、ありがとう ② ー祖父への追悼歌ー

 

それは本当に突然のことだった。

 

 

2024年5月9日。

ぼくのじーちゃんが他界した。

 

shizhonglingyang.hatenablog.com

 

 

2日目の早朝。

 

結局、昨日はほとんど一睡もできなかった。

自分が思っていたよりも精神的にきていたの

かもしれない。

 

物事はこちらの事情や状況なんてお構いなしに進んでいく。

それは自然発生的なようでいて、まるでダレ

カがそういうシナリオを描いたのでは?と問

うたくなるようなものなのかもしれない。

 

 

平日早朝にもかかわらず、全11にものぼるエリアの代表者から御香典を賜った。

 

葬儀屋の方々が来るまでの時間、じーちゃん

に手紙を書くことにした。花入れの儀の際

に、その手紙を添えようと思った。

 

今筆を動かしていても思うのだけれど、ここ数日時間の感覚が変だ。

 

出棺まで2時間はあると思っていたのに、気が

付けば棺を家から運ぶのを手伝っている自分

がいた。

 

叔父さんと共にじーちゃんの横たわった棺の重みを嚙みしめた。

 

クラクションの音が辺りに響き渡った。

霊柩車は出棺の際に、クラクションを鳴らす

ということを初めて知った。

 

「故人を弔う」という意味と、「邪を祓う」という意味があるらしい。

 

プーーーーーーーーーーーッ

 

日常と非日常の狭間に引き込まれる心地だった。

 

遺影をばーちゃんが、位牌を叔父さんが、霊

膳を自分が運ぶ形で火葬場へ向かった。

 

到着すると、じーちゃんの兄弟姉妹を中心と

した親戚たちの姿があった。

 

ばーちゃんの兄弟姉妹とは実際に会ったこと

もあったし、話を聞くことも多かったけれ

ど。じーちゃんは寡黙で謎に包まれていたと

ころが多かった分、兄弟姉妹との対面は嬉

しかった。でもちょっとじーちゃんに「紹介

するの遅いよー!!」って物申したさもあ

るのが本当のところ。もっとじーちゃんと話

したかったなぁ。

 

告別式が始まるまでの時間は1日目の会食で

話題になった「家系譜」の話で盛り上がっ

た。明治の頃に撮られたご先祖様の写真や、

じーちゃんとばーちゃんの結婚式の写真が手

元にあったこともあり、大いに話に花が咲

く時間だった。

 

いよいよ、告別式が始まる。

 

会場前方にはじーちゃんの遺影や、位牌、御

霊前を中心とした立派な祭壇が。

 

御焼香を2回あげ、花入れの儀式のときに気づ

いた。

 

「じーちゃんに書いた手紙がない・・・」

 

正直、自分のことを怒鳴りつけてやりたかっ

た。でもやめた。

 

落ち込んでる姿を見せたくなかったし、何よ

り少しでも安心してほしかった。

 

花入れの儀式のときに、顔を見ながら直接そ

の場でじーちゃんに思いの丈を伝えた。

 

そのあとかな。

 

あぁ、じーちゃんとはもう本当に会えなくな 

るのだという実感が急に襲ってきた。

 

みるみるうちに目の前が涙に溺れた。

 

あまり話をすることができなかった、じーち

ゃん。

 

あまり言葉を発しなかった、じーちゃん。

 

そんなじーちゃんが自分にとってとっても大切な存在だったことに今更気づく。

 

後悔したい。でも後悔はしない。

それを悔いてしまったら、真の意味でじーち

ゃんとお別れになってしまう気がするから。

 

この2日という時間の中でぼくはじーちゃん

からかけがえのない大切なことをたくさん

教えてもらった。

 

今自分にできることはなんだ?

これから自分にできることはなんだ?

じーちゃんへの最大の御返しはなんだ?

 

それは明らかだった。

 

「じーちゃんからもらった絵の具をこれからの人生に惜しみなく使っていくこと。」

 

それだけだ。

 

じーちゃんはいつも文句の一つ言わず、ご飯

を残さず食べていた。

 

じーちゃんはいつも何も言わず、花や植物や

飼っている生き物たちに水をやり、エサをや

っていた。

 

じーちゃんはいつもばーちゃんのことを否定しなかった。声を荒げたことなんて一度もなかった。

 

じーちゃんは生涯、一生懸命に働いていた。

 

じーちゃんはいつも何も言わずに、虫捕りや

ザリガニ獲りに付き合ってくれた。

 

じーちゃんは最後の最後まで多くは語らずに、多くをその背中で見せてくれた。

 

じーちゃん、

ありがとう。

 

 

 

 

 

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